12月1日。

はじまりの日、別れの日。それまでの時間はどこにあったのか、ふりかえるには少し急だった。大切なものはすぐにはできない。与えられるものが少なければ、失うものも多くないはずだ。それなのになぜだろう。失う痛みは身を削られるようだし、与えられた喜びはすぐに忘れてしまう。苦しみながらいまを生きることは、鏡に写る自分を、真っ直ぐに見つめることだ。