ノスタルジー

11月22日。

高い鼻、カールした茶色の髪の毛、細い腰、すらりと伸びた手足。光をさらさらと通すような、背の高い、美しい人だった。さっぱりとした性格はどこか見かけ倒しのような、気の抜けるような意外性があった。今まで会ったどんな人でも表せない。

一歩踏み出したいが、動けないままでいる。失うのはこわいし、満足とはいかないまでも穏やかな今を、壊してしまう勇気がないのだ。