ふらつき

11月23日。

かじかんで赤くなる。ポケットにしまっておけばいい右手を出した。手を繋いで、身体を引き寄せて、ゆるく抱きしめれば、穏やかになれる気がした。

風が頰をさし、頭には血が上ってくらくらする。冷たい空気に研がれた言葉はどんどん鋭利になる。君を刺している。

激情は涙に変わり、ぽろぽろと溢れ出したが、君の切傷には染み込まずに流れ落ちた。何も届いていない。何も伝えられない。ぐるぐるまわる景色の中でどうしようもなく一人だ。