12月3日。

午後の公園では、よく物思いに耽る。過去に想いを馳せたり、未来を傍観してみたりする。

氷の上を、刃のついた靴が模様を描く。多くの人が実に楽しそうに、自由に、あちこちに動いている。間を縫いながら、風を切って滑るのは心地よい。シャッシャッと氷を削る感覚が足元を伝わる。鋭い刃で心が研ぎ澄まされていくようだ。ふと、スピードスケートの選手はどんな音を聞いているのかと想像した。フィギュアスケートの選手は、氷上から降りたとき、重力を忘れていた宇宙飛行士のようだろうか。