落ち葉拾い

11月10日。

都内某所の小学校の横にある公園では、たくさんの落ち葉が地面を優しく覆っている。風に遊ばれて宙を舞い、また重なりあう。5月には青々としていた木々は随分と渋みのある顔立ちになり、にぎやかだったお昼のベンチもどこか声を潜めている。コンクリートのベンチに浅く腰掛け、薄い手ぬぐいの包みを膝に乗せる。くすんだ朱色の麻の葉模様が、黄色や赤、茶色のモザイクとよく馴染んでいた。

深いため息をつく。

11月の少し冷たい風が、髪をくすぐった。

 

どうしてここにいるのだろう。

毎日が単調に、淡々と過ぎていく。明日も明後日も、1年後も、10年後も、きっと予想がつくのだ。楽しいことよりもつらいことの方が多いが、悲観しすぎず、期待しすぎに、傷付かないように日々をやり過ごす。

いつか変わる、いつかは、

やりたいことも、叶えたい夢もきっとある。

それでも、こうして想いを巡らせながら、深くまで沈んでいった言葉を、ついに音にすることはないのだろう。

せめてここに残しておく。